NEWS
2024年10月3日上野千鶴子さん講演ー医療・介護を守り抜こうー
相次ぐ診療報酬・介護報酬の引き下げと物価高騰の中、全国の医療機関・介護事業所の経営が危機にひんし、社会保障の切り捨てで地域住民の受療権が脅かされています。山梨民医連は診療報酬・介護報酬の再改定、医療・介護制度の改善に向けて「オール地域」の運動に足を踏み出しています。
上野千鶴子さん講師に「講演&リレートーク」
介護改善へ自ら動き地域で運動を広げよう
8月3日(土)に、東京大学名誉教授の上野千鶴子さんを講師に「どうなる?どうする!介護保険」講演&リレートークを開催しました。
企画開催の目的と経過
山梨民医連は、訪問介護報酬が引き下げられた事態を受け県内の訪問介護事業者に緊急アンケートを実施し、記者会見をひらき調査結果を報告しました。こうした経過を踏まえ、介護報酬引き上げと介護保険制度改善の運動を「オール地域」で取り組もうと本企画を準備し県内の介護事業者に広く参加を呼びかけました。
記者会見の記事はこちら→山梨民医連「訪問介護事業所緊急調査」調査結果を発表
当事者が声をあげる時
会場には民医連内外の介護関係者など現地とオンラインで約300人が参加しました。上野さんは相次ぐ改悪で介護保険の危機が広がる一方で、介護保険の24年間で現場の経験が蓄積され層の厚い人材が育ったと指摘。「今こそ介護従事者がつながり声をあげる時」と呼びかけました。参加者からは「考え行動することの必要性を感じた」「『無知は罪』に共感。学び声を上げることが大切だと思った」などの感想が寄せられました。
介護現場の切実な声次々
リレートークでは介護現場から「仕事の大変さに見合わない報酬で現場を去る人が後を絶たない」「人手不足で新規の受け入れが困難」など切実な声が相次ぎ、介護専門学校の教務主任は「学生は介護にやりがいを感じ勉学に励んでいる。しかしやりがいだけでは続かない。若者の夢を奪う今回の改定は許せない、自分も声をあげる」と発言し、より良い介護制度を求める連帯の輪が広がりました。
現場からの声を受け上野さんは「自分たちの職業の社会的威信と報酬を高めることは当事者が要求しないとできない。こんな欠陥だらけの介護保険制度でさえ『守れ』と言わなければならない状態を一歩でも二歩でも脱したい」と締めくくりました。山梨民医連はこの企画を契機に地域に運動をさらに広げていきます。