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2024年6月12日山梨民医連「経済的事由による手遅れ死亡事例」調査結果を発表
窓口負担・保険料を軽減し、安心して受診できる医療制度を
山梨民医連は5月21日に記者会見し、2023年の「経済的事由による手遅れ死亡事例調査」で明らかとなった3事例について発表しました(以後Aさん、Bさん、Cさんとします)。これまでに山梨民医連が報告した全55事例(18年間)も含めて問題点を指摘し、いのちを守るための緊急の施策として、保険料や窓口負担の減免などを提言しました(提言は続報参照)。
保険証はあっても、窓口負担を恐れて
これまでの事例の7割近くは無保険状態から発生していましたが、今回の調査では保険証が手元にありながらも、窓口での負担を恐れて受診を躊躇しました。苦しみを限界まで我慢した末、Aさん、Bさんは救急搬送され、Cさんはみずから受診しました。Bさん、Cさんは受診から数日、Aさんは1か月程度で亡くなりました。
窓口負担2割になった高齢者も手遅れに
80代のAさんは高齢で独居でした。かかりつけの医院でがんを疑われ、紹介先の病院でがんと診断され入院治療をすすめられたものの、医療費を捻出する余裕がなく、治療を中断してしまいました。一昨年10月から窓口負担が2割となっていました。症状が悪化し、苦しみに耐えきれずに自ら救急車を呼び、山梨民医連の病院に搬送されました。救急外来では職員に「迷惑をかけてすみません」と話していました。
困っていても、まわりに相談相手もなく
60代のBさんは「引きこもり」状態の家族と同居していました。最近は就労できず貯金を取り崩して生活していました。「孤立」状態で、まわりには相談相手もいませんでした。40代のCさんは非正規雇用で職を転々としていました。同僚も心配するほど身体の異変がありましたが、月収数万円の生活で医療費を捻出する余裕がなく受診を拒否。仕事を休むようになり、同僚の説得で受診し同日入院に。数日で死亡しました。
「手遅れ死」は、どの家庭でも起こり得る
記者会見で山梨民医連は、以下の通り指摘し「〝手遅れ死〟は、どこの家庭でも起こり得る」と訴えました。
●いくらかかるかわからない医療費の窓口負担が受診をためらわせていること
●高すぎる医療保険料が多数の滞納者と「無保険」状態を生み出し、医療をあきらめさせていること
●社会的排除・孤立や「自己責任論」の影響でSОSを出せないこと